1部 ファンド情報
1章 ファンドの状況
1. 投資法人の概況
1) 主要な経営指標等の推移
(1) 【主要な経営指標等の推移】
① 主要な経営指標等の推移
(注1)金額については、記載単位未満を切り捨てて、各種比率等については小数第2位を四捨五入して表示しています。
(注2)記載した指標は、以下の方法により算定しています。また、運用日数により年換算した数値を( )内に記載しています。1口当たり当期純利益は、当期純利益を日数による加重平均投資口数で除することにより算定しています。
(注3)期末稼働率は、決算日時点における総賃貸可能面積に占める総賃貸面積の割合を記載しています。
② 事業の概況
(イ)第40期(当期)の概況
a.投資法人の主な推移
本投資法人は、投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号。その後の改正を含みます。以下「投信法」といいます。)に基づき2005年10月7日に設立され、2006年6月22日に株式会社東京証券取引所不動産投資信託証券市場に「住宅特化型REIT」として上場(銘柄コード8986)しました。本投資法人は、2010年7月1日付でプロスペクト・リート投資法人を吸収合併し、当該合併後は、物件の入替(新規物件の取得や既存物件の譲渡)によるポートフォリオの質の向上、稼働率の向上等のオペレーション全般の強化、有利子負債費用の低減等によるコスト削減に注力し、分配金の着実な向上を目指してまいりました。さらに、2020年4月1日付で、本投資法人を吸収合併存続法人、日本ヘルスケア投資法人(以下「NHI」といいます。)を吸収合併消滅法人として吸収合併(以下「本合併」といいます。)し、商号を「日本賃貸住宅投資法人」から「大和証券リビング投資法人」へ変更し、ヘルスケア施設をポートフォリオに加え、「ライフステージに合わせ「すべての人の生活・暮らしを支える」ために快適な居住空間を総合的に提供するREIT」として運用しています。
2026年3月末時点の運用資産は、238物件、取得価格総額394,202百万円、総賃貸可能面積718,139.23㎡となっています。
b.当期の投資環境
当期におけるわが国の経済は、2025年10-12月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.3%となり、2四半期ぶりのプラス成長になりました。背景として、個人消費・設備投資・住宅投資の民需関連の増加、政府支出の増加が挙げられます。また、2026年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+2.0%と、2四半期連続でのプラス成長率になる見込みです。一方で、中東情勢の緊迫化による原油高や、米中を中心とした外需の下振れリスクなど、海外経済を中心に下振れリスク要因が多く留意が必要です。
住宅系上場REITが保有する賃貸マンションについては、安定した稼働率が継続しています。また、日本においてもインフレが進んでいることから、都心部を始めとした様々なエリアにおいて賃料増額が定着しつつあります。
また、不動産投資市場に関しては、インフレや金融引き締め等による金利上昇が世界的に進む中でも、賃貸マンションの安定したキャッシュ・フローへの投資家の関心は根強く、国内外投資家による物件の取得競争は引き続き厳しい環境下にあります。ヘルスケア施設に関しても、総人口のうち高齢者人口の占める割合の上昇に伴い、高齢者施設・住宅に対する社会的需要は年々高まっています。
c.当期の運用実績
投資口価値向上のため、i.資産の入替、ⅱ.オペレーション全般の継続強化、ⅲ.資金調達の強化、ⅳ.サステナビリティに関する取組みに注力いたしました。
ⅰ.資産の入替
当期は、以下の賃貸住宅8物件(取得価格14,227百万円)を取得しました。
これらの物件は、本投資法人の当期の収益に寄与するとともに、来期以降の収益拡大に寄与する予定です。
また、将来にわたる収益性の見込み、物件の規模や立地などを総合的に勘案し13物件(譲渡価格21,212百万円)を譲渡しました。
<取得資産>
(注)取得価格には、取得諸経費、固定資産税及び都市計画税の精算分並びに消費税及び地方消費税を含みません。
<譲渡資産>
(注1)譲渡価格には、譲渡諸経費、固定資産税及び都市計画税の精算分並びに消費税及び地方消費税を含みません。
(注2)本件譲渡は、同一の譲渡先に対する単一の売買契約に基づく譲渡取引です。
ⅱ.オペレーション全般の継続強化
1.賃貸住宅の運用戦略
本投資法人の資産運用会社である大和リアル・エステート・アセット・マネジメント株式会社(以下「本資産運用会社」といいます。)は、『日次稼働率予測システム』の活用や既存諸施策等に引き続き注力した結果、期中平均稼働率は96.9%(前期は97.4%)となりました。また、入替え時賃料(注)の増額にも引き続き注力した結果、当期は、総件数1,428件のうち1,385件で前賃料比の増額を実現し、件数ベースの上昇比率が97.0%、賃料ベースの上昇が+13.2%(前期は+10.7%)と前期に続いて上昇傾向を維持し、増収に寄与しました。
賃貸事業費用につきましては、修繕費及び再商品化工事費用の適正化に注力しました。
(注)入替え時賃料は、新規取得物件やサブリース契約解約等により前賃料が不明な住戸及び住居以外の用途の貸室を除き算出しています。
(既存諸施策)
●『日次稼働率予測システム』(本資産運用会社が独自・自社開発した日次ベースで毎月末日の稼働率を予測するITシステム・2011年10月導入)の活用による、個別空室ごとの異動情報の把握及び対策が必要な空室の特定・現地調査・原因追究・対策実施・効果確認のサイクルの短縮化。2015年5月から新バージョンにアップグレードしたITシステムの稼働を開始し、インターネットで稼働率を含めた種々の情報把握がほぼリアルタイムで可能な仕組みを実現。
●『3週間ルール』(退去から3週間以内に再商品化工事を完成させるルール・2010年10月導入)の徹底による機会損失の極小化。
●『ダウンタイム60日』(退去から60日以内に次の契約の成約を目指す方針・2012年10月導入)
●『アクション30日』(募集開始後当初30日間で最良の賃料を最短で得るべく重点対応する方針・2013年10月導入した募集開始後30日経過の空室への重点対応を、2016年4月に新たに導入した『物件別経営方針』に基づきさらに積極的な施策に変更)などにより、空室期間を短縮し稼働率及び収益性のさらなる向上を目指す。
●『月次重点物件』(2011年4月導入)や『長期空室(対象空室期間60日)』(2010年10月導入)の対応強化。
●『高額工事承認委員会』(100万円以上の工事等の発注に際し、工事内容や金額について組織的に精査する会議・2012年4月導入)による高額工事の経費支出適正化。
●『再商品化工事標準仕様策定』(退去後の原状回復工事を「再商品化」と捉え、独自の工事仕様を策定・2012年4月導入)による、よりよい住戸づくりと費用及び工期の管理。
●『満室稼働物件数向上管理』(満室稼働物件数の管理を通じて稼働率の一層の向上を目指す・2014年4月導入)
●『物件別経営方針』(個別物件ごとの過去の成約データ(賃料・ダウンタイム・前賃料対比・礼金等)の分析を基に、物件ごとの基本方針を策定して物件運用するもので、上記の既存諸施策の一つである『アクション30日』の取組みと併せて実行することにより、解約住戸の新規契約ごとに賃料の増額とダウンタイム短縮を同時に目指し、収入増加に注力・2016年4月導入)
2.ヘルスケア施設の運用戦略
本資産運用会社は、ヘルスケア施設において、安定的な収益を獲得し、投資主価値の維持・向上に資するために、運営主体であるオペレーターの信用力、運営力等が安定稼働を実現するうえで重要な要素であると考えており、オペレーターへのモニタリングを実施しています。当期は引き続き施設への訪問やWeb会議システムを利用した面談を施設管理者や本社担当者と実施し、ヒアリング等を行っています。当期末時点でオペレーターとの賃貸借契約の中途解約、賃料の減免や支払猶予等、契約条件の変更事案はありません。
上記の結果、ヘルスケア施設の期中平均稼働率は99.9%となっています。
ⅲ.資金調達の強化
本投資法人は、当期において、借入金の返済資金及び投資法人債の償還資金に充当するため、以下の借入れを行いました。
・2025年11月28日に返済期日を迎えた長期借入金1,000百万円の返済資金として、同日に既存取引行と同額の借換えを行いました。
・2026年1月28日に償還期限を迎えた大和証券リビング投資法人第1回無担保投資法人債4,000百万円の償還資金として、2026年1月27日に既存取引行と同額の借入れを行いました。
・2026年1月30日に返済期日を迎えた長期借入金総額2,591百万円の返済資金として、同日に既存取引行と同額の借換えを行いました。
・2026年2月9日に償還期限を迎えた大和証券リビング投資法人第2回無担保投資法人債6,000百万円の償還資金として、2026年2月6日に既存取引行と同額の借入れを行いました。
・2026年3月23日に返済期日を迎えた長期借入金総額4,509百万円の返済資金として、同日に既存取引行と同額の借換えを行いました。
上記の結果、借入期間の長期化を実現するとともに、返済期日の分散化を図ることができました。また、本投資法人の当期末時点の総資産有利子負債比率は51.1%、長期有利子負債比率(1年内返済予定有利子負債を除く。)は85.2%、金利固定化比率は51.7%となりました。
ⅳ.サステナビリティに関する取組み
本投資法人は、資産運用に当たりESGを重視することが中長期的な企業価値向上に資するという認識のもと、本資産運用会社が定めるサステナビリティ方針に基づき、サステナビリティに関する取組みを推進しています。
環境への取組みとしては、省エネ性能の高いLED照明・空調設備の導入、節水型機器の設置等により環境負荷低減を推進しています。また、継続的にポートフォリオ全体のエネルギー使用量等を測定し、設定した目標値への達成度を把握しています。
さらに、環境省が策定した環境マネジメントシステム(EMS)であるエコアクション21に、2024年から取り組んでいます。2025年においても、7物件の現地審査を含む審査を受け、総合判定は「ガイドラインに適合」でした。今後も、環境関連法令の遵守やデータの把握等を適切に実施し、PDCAサイクルを継続的に実践することで一層の改善を図っていきます。
社会への取組みとしては、保有不動産に関係する社外関係者との間に良好な関係を構築し、連携・協働していくことで、テナント満足度の向上や地域社会の持続的な発展の貢献に努めています。国内の優良なヘルスケア施設の更なる供給促進を図るため、2021年5月付で策定したソーシャルファイナンス・フレームワークに基づき、2026年3月31日現在、ソーシャルローンによる借入れ(109.2億円)、ソーシャルボンドの発行(20億円)を実施しています。
ガバナンスへの取組みとしては、本資産運用会社において、利益相反の防止、リスク管理及び法令遵守を徹底しています。また、投資主利益との連動性を重視し、運用成果に連動した資産運用報酬体系を導入しています。
本投資法人は、2018年からGRESBリアルエステイト評価に継続的に参加しており、2025年GRESBリアルエステイト評価では、ESG推進のための方針や組織体制などを評価する「マネジメント・コンポーネント」と保有物件における環境パフォーマンスやテナントとの取組み等を評価する「パフォーマンス・コンポーネント」の双方において優れた参加者に与えられる「Green Star」評価を4年連続で取得しました。また、総合スコアのグローバル順位に基づき5段階で格付されるGRESBリアルエステイト評価において「1スター」を取得しました。さらに、ESG情報開示の充実度を測る2025年GRESB開示評価において、環境配慮やサステナビリティの取組みに関する情報開示が優れていることが評価され、5段階のうち最上位の「A」評価を4年連続で取得しました。なお、2026年3月31日現在、環境認証(注)取得物件は計26物件、認証取得比率は24.2%(ポートフォリオ全体における延床面積ベース)となっています。
(注)本投資法人の保有物件が取得している環境認証としては、CASBEE不動産評価認証及びBELS認証があります。
d.業績及び分配の概要
上記の運用の結果、本投資法人の当期の実績は、営業収益14,993百万円、営業利益8,044百万円、経常利益6,866百万円、当期純利益は6,866百万円となりました。
分配金につきましては、既存の方針どおり、当期未処分利益6,866百万円から不動産等売却益の一部について「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」(租税特別措置法第65条の7)の適用による圧縮積立金578百万円及び配当積立金91百万円を差し引いた金額に、一時差異等調整積立金取崩額79百万円を加算し分配します。
その結果、当期の分配金総額は、6,275百万円となり、投資口1口当たり2,630円(前期比70円の減配)となりました。
(注)分配金については、租税特別措置法(昭和32年法律第26号、その後の改正を含みます。以下「租税特別措置法」といいます。)第67条の15の適用により、利益分配金の最大額が損金算入されることを企図して、投資口1口当たりの分配金が1円未満となる端数部分を除く当期未処分利益の全額を分配することとしています。
(ロ)決算後に生じた重要な事実
①資産の取得
本投資法人は、2026年3月23日付及び2026年5月22日付で売買契約を締結した資産を以下のとおり取得しました。
(注1)取得価格には、取得諸経費、固定資産税及び都市計画税の精算分並びに消費税及び地方消費税を含みません。
(注2)グランカーサ上野松が谷、ソルテラス本庄西クレアスト、グランカーサ曳舟Ⅱ及びグランカーサ川口青木町公園の鑑定評価額は、2026年3月1日時点の価格です。また、グランカーサお花茶屋、グランカーサ瑞江及びグランカーサ西葛西の鑑定評価額は、2026年5月1日時点の価格です。
(注3)2026年5月1日付で「アルファコート曳舟2」から「グランカーサ曳舟Ⅱ」に物件名称が変更されています。以下同じです。
(注4)2026年6月2日付で「アルファコートお花茶屋2」から「グランカーサお花茶屋」に物件名称が変更されています。以下同じです。
(注5)取得先は、大和証券リアルティ株式会社です。
なお、本投資法人は、2026年6月22日付で以下の資産の取得に係る売買契約を締結しており、以下のとおり取得予定です。
(注1)取得予定価格には、取得諸経費、固定資産税及び都市計画税の精算分並びに消費税及び地方消費税を含みません。
(注2)鑑定評価額は、2026年6月1日時点の価格です。
(注3)本投資法人の取得後に「アルファコート葛西」から「グランカーサ葛西」に物件名称の変更を予定しています。以下同じです。
(注4)取得予定先は国内法人2社ですが、同意が得られていないため非開示としています。
②資産の譲渡
本投資法人は、2026年3月23日付、2026年4月21日付及び2026年5月22日付で売買契約を締結した資産を以下のとおり譲渡しました。
(注1)譲渡価格には、譲渡諸経費、固定資産税及び都市計画税の精算分並びに消費税及び地方消費税を含みません。
(注2)ジョイ尾山台、リーベスト東中山、willDo金山正木及びwillDo黒川の鑑定評価額は、2025年9月30日時点の価格です。また、プレザングラン南雪谷及びあいらの杜 石神井公園の鑑定評価額は、2026年3月31日時点の価格です。
(注3)譲渡先は国内事業会社3社ですが、同意が得られていないため非開示としています。
(注4)譲渡先は国内法人1社ですが、同意が得られていないため非開示としています。
③資金の借入れ
本投資法人は、2026年5月1日付で、資金の借入れを行いました。資金使途は、上記「①資産の取得」に記載の資産の取得資金及びそれらの付帯費用の一部です。
借入金の概要
<タームローン26E号>
<タームローン26F号>
<個別ローン>