オートサーバー

1部 企業情報

1章 企業の概況

  • 第1 【企業の概況】

    はじめに

      当社(実質的な事業運営主体)は、1997年6月にインターネットを利用した中古車の業者間売買仲介を行う目的で設立された株式会社オートサーバー(以下「旧オートサーバー」といいます。)を前身としております。旧オートサーバーは設立後、順調に業容を拡大し、2014年1月には台湾の新興株式市場であるグレタイ証券市場(GreTai Securities Market、以下「GTSM市場」といいます。)に株式上場いたしましたが、以下に述べるような国内における事業強化及び経営資源の集中投下を行うためには株式保有の集中による機動的な意思決定が不可欠であると判断し、2015年11月に株式会社ASH(以下「当社」といいます。)を設立してマネジメント・バイアウト(以下「MBO」といいます。)を行い、2016年3月にGTSM市場への上場を廃止いたしました。上場廃止後の2016年6月、旧オートサーバーを完全子会社化し、当社を吸収合併存続会社、旧オートサーバーを吸収合併消滅会社とする合併を行うとともに、商号を株式会社オートサーバー(現オートサーバー)に変更しております。

     

    1. GTSM市場への上場からMBOに至る経緯とその目的

     旧オートサーバーは1997年6月に設立され、インターネットを利用した自動車売買の仲介並びに付随するサービスを提供する事業者向けプラットフォーム(以下「ASNET」といいます。)を運営しておりました。1998年5月よりASNET上で業者間中古車売買仲介(以下「ASワンプラ」といいます。)サービスを開始し、また、1999年9月からはオートオークション運営事業者と業務提携を行ってオークション落札等代行(以下「オークション代行」といいます。)サービスを開始することにより、中古車取扱事業者等からなるASNETの会員数(注)を伸ばすとともに、提携するオートオークション会場の拡大等によって事業規模を拡大してまいりました。さらに当時の大株主であったSBIインベストメント株式会社が推し進めていたアジア圏への進出戦略の下、日本市場で培ったASNETのノウハウやシステムをアジア各国にも展開すべく、2013年9月には中国版ASNET事業(以下「車通天下」といいます。)を開始するとともに、さらなるアジア各国への事業進出を行うための足掛かりを目的として日本を含むアジア各国の証券市場への上場を検討していた中、GTSMをはじめとする台湾証券市場が日本企業の上場誘致に積極的であり、旧オートサーバーとしても知名度向上の期待及び中華圏での上場であれば中国本土での上場効果(知名度向上等)も見込めるとの判断の下、2014年1月、GTSM市場への株式上場を行いました。

    旧オートサーバーがGTSM市場へ株式を上場した当時、我が国における中古車の業者間流通はオートオークションを経る形態が概ねを占めており、ASNETにおける取引車両台数もオークション代行サービスの取引台数が大多数を占める状況にありました。しかしながら当時、消費者における中古車ニーズの多様化や購買動向の変化、中古車販売事業者における在庫リスク圧縮の動き等を背景に、オークションを経ずに業者間で売買を行う動きが活発化しつつあり、旧オートサーバーにおいても徐々にASワンプラサービスの取引台数が拡大しつつありました。このような状況の下、中長期的かつ持続的に企業価値の向上を実現するためには、①ASワンプラサービスをASNETの主力サービスと位置づけ積極的な営業活動の展開により業績を拡大させること、②従来の会員層とは異なる新たな業態の中古車販売事業者もASNET会員として獲得し、顧客基盤を拡充させること、③会員の中古車小売業務サポートといった中古車販売事業を総合的に支えるサービスを展開すること等、機動的な事業展開に取組むべきと考えました。

     

    このような事業展開を行うため、旧オートサーバーは会社知名度の向上を図るとともに、ASNETの機能向上や新サービス構築に努めてまいりましたが、台湾においてASNET事業を展開していなかったことから、様々な上場維持コストが必要となる一方で知名度向上等のメリットは享受しにくい状況にありました。さらに、2013年9月に開始した前述の「車通天下」事業が、事業準備中に出現した競合企業や現地の商慣習の違い等により業績が低迷し、2014年11月には事業方針の見直しを迫られる等、アジア圏への進出について再検討を行う必要が生じました。

    そこで、上場後2年間という短期間ではあったものの、このような経営課題に対し、経営資源の投下を国内に集中する等、会社の資本政策及び経営施策を大きく見直すこととし、そのためには特定かつ少数の株主による当社株式の保有を通じて機動的な意思決定を可能とすることが望ましいと考えたこと等の理由から、MBOの手法により旧オートサーバーを非上場化することとし、2015年11月に当社を設立、2015年12月よりMBO手続きを進め、2016年3月にGTSM市場への上場を廃止いたしました。

    上場廃止後、2016年6月に当社を存続会社とする旧オートサーバーとの合併を経て、現在の当社を形成しております。

    (注)ASNETの会員数は、法人・個人を含めた拠点数となります。

     

     

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    2.MBO後の経営状況

     当社はMBO後、日本市場において確固たる地位を築くべく経営資源の投下を国内に集中し、顧客拡大によるバイイングパワーの強化とサービス品質の向上を図り、消費者向け中古車情報事業者や石油販売事業者等との業務提携を実現したほか、スマートフォンアプリを通じてASNET会員と店舗顧客を結びつけるサービスの提供を開始いたしました。このほか、2020年11月に従来のASNETから車両検索機能の強化等を図った新たなASNET(ASNET3)をリリースし、続く2021年には、4月に業者間中古車売買仲介サービス専用のスマートフォンアプリから出品が行えるアプリ「かんたん入力アプリ」を、8月に新たなASリアル(注)をリリースしました。また2022年10月にはASNETでの取引状況の確認及びASNETでのお知らせをスマートフォンアプリで確認できる「ASNETマイページアプリ」をリリースしました。

    (注)パソコンにインストールした専用ソフトを通じて、オートオークションのセリの状況をリアルタイムに表示し、 かつ、セリに参加する事ができるサービス。

     

     これらの結果、MBO開始時期との比較において、ASNET会員数は47,743会員(2015年12月末)から77,361会員(2023年12月末)へ、ASNETにおける取引台数は166,114台(2015年12月期)から228,173台(2023年12月期)へと増加させることに成功したほか、売上及び利益を安定的に確保できる体制を確立することができ、2015年12月期には4,185,011千円(旧オートサーバー)であった売上高が2023年12月期には5,846,559千円となっているほか、経常利益についても2015年12月期には1,482,504千円(旧オートサーバー)であったものが2023年12月期には2,084,412千円となっております。

     

     

     

     このように、ASNET事業を強化するための施策を実施し着実な成果を上げる等、業績の向上に努めてまいりましたが、当社が事業領域としているインターネット情報技術を用いた中古車流通サービス事業においては、新たなWEB技術や新サービスの導入、並びにスマートフォンアプリ等による情報の積極的な活用を通じて、会員である中古車販売事業者の業務支援を行うことにより、さらなる成長を目指していくことが可能であると見込んでおります。そのためには、サービスプラットフォームASNETの継続的な機能強化に留まらず、今後は中古車小売業務支援システムの拡充、新たな情報技術及び新規事業の研究、新技術の導入などを含めた中長期的な成長投資を行う必要があると捉えております。

     そこで当社は、これら経営課題を克服し、かつ、当社のブランド・社会的信用度の向上、従業員の士気向上、優秀な人材の確保等による技術力向上により中長期的な企業価値の向上を目的として、2023年9月26日、東京証券取引所スタンダード市場及び名古屋証券取引所メイン市場へ株式上場いたしました。